浄土宗新聞

震災復興とコロナ収束へ想いを込めて 知恩院で相馬流山踊り奉納

国宝である山門前で、赤い陣羽織とはかま姿で相馬流山踊りを披露する中高生ら

国宝である山門前で、赤い陣羽織とはかま姿で相馬流山踊りを披露する中高生ら

福島県南相馬市に鎌倉時代から約700年にわたって伝承される「相馬流山踊り」の奉納が、8月8日に総本山知恩院(京都市東山区)で行われた。「相馬ながれやま踊りJuniorの会」に所属する同市在住の中高生ら13人が、東日本大震災からの復興と新型コロナウイルス感染症収束を願い、演舞を披露した。
この踊りは、国重要無形民俗文化財「相馬野馬追」時に歌い、踊られているもの。震災以降、故郷を離れる人も多く、踊り手が著しく減少したため、若年層の継承者を育成する目的で平成26年に同会が結成された。以来、毎年知恩院で奉納公演をしており、今回で5回目となる。
昨年はコロナ禍で開催できなかったが、今年は感染症対策を講じたうえで開催。震災復興だけでなく、コロナ収束の想いが込められた力強い演舞を、観客は真剣な眼差しで観ていた。
同会の西本芳浩代表は、「コロナ禍で踊りを披露できる場が少なくなっているが、伝統を途絶えさせないためにも、頑張って継続していきたい」と話した。