浄土宗新聞

不昧公偲び 愛用茶筌を供養 松江 月照寺

僧侶の読経にあわせて、茶筌を浄焚供養(お焚き上げ)する高梨住職(写真左)(写真提供:朝日新聞社

僧侶の読経にあわせて、茶筌を浄焚供養(お焚き上げ)する高梨住職(写真左)(写真提供:朝日新聞社

島根県松江市にある月照寺(高梨博昭(たかなしはくしょう)住職)が4月24日、江戸時代の大名で茶人としても知られる松江藩松平家7代藩主・松平治郷(不昧公)を偲ぶとともに、役目を終えた茶筌の供養を営んだ。
同市は、 不昧公が茶の湯を奨励したことから茶道文化が深く根付いており、不昧公が好んだ茶菓子や庭園、工芸品などが「不昧公好み」と呼ばれる一つの銘柄となっている。
この供養は、松江藩松平家の菩提寺である同寺茶室「大円庵」が昭和30年(1955)に落成したことを機に始まり、同市の松江茶道会が中心となって、毎年、不昧公の命日である4月24日に近い日曜日に営まれ、今年で67回目となる。
法要は境内にある不昧公廟門前で執り行われ、関係者約20名が参列。読経に合わせ、この一年に同会関係者が愛用した約150本の茶筌を浄焚供養(お焚き上げ)した。参列者たちは、愛用の茶筌に感謝の気持ちを添えて法要に参加していたという。
高梨住職は「関係者の茶筌供養への想いは強く、コロナ禍でも規模を縮小して営みました。これからも、松江の茶文化を後世に伝えるため続けていきたい」と話す。