浄土宗新聞

縁を結びつなげる 寺院を地域コミュニティの場に 大阪・超泉寺

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大阪府寝屋川市、超泉寺の茂上洋之(もがみようし)住職(45)は、幼児と親を対象にした「サラナ親子ひろば」、高齢者サロン「いずみのひろば」、そして大人から小さい子どもまでを対象とした地域交流サロン「ともいきひろば」など、多彩な交流の場を提供している。
(ジャーナリスト・北村敏泰)

「サラナ親子教室」の様子。本堂で工作を楽しむ親子の参加者
「サラナ親子教室」の様子。本堂で工作を楽しむ親子の参加者

9月9日には、午前中に母子が本堂で遊戯や手作り教室に集い、子育てについての話が盛り上がった。午後にはお年寄りたちを対象に防災講演会と茶話会が開かれ本堂が終日にぎわった。
こちらの活動は同寺が昭和末に現在の地に移転、近隣に檀家がない寺を何とか人が集う場所にと、結婚を機に入山した住職が3年前から妻文子(ふみこ)さん(45)と運営してきた。住職は「来てくださる方が楽しみにしてくれているのが伝わってきます。コロナ後には、昼食などで世代を超えた交流ができたら」と語る。
世代横断型の「ともいきひろば」はこれまで盛況で、お守りづくり、パステルアートなどに子どもから90代までの参加があった。
コロナ禍で活動の半分が中止、自治会の行事も自粛で集まる機会がなくなった。だが今春、そんな時こそ寺を開放して、住民が店を出して集える「マルシェ」を計画、協力関係にある社会福祉協議会などから応援の輪が広がって、400人以上が来場した。「交流の場を作ってくれて嬉しい」「お寺のことをもっと知りたくなった」、出店者らからも地域の人たちとの交流を喜ぶ声が聞かれた。
夏休みの小学生対象の「てらこや」も「家ではなかなか勉強しないのに、皆と一緒で勉強できた」と好評だ。住職は「寺という場所は子どもにとっても親御さんにとっても特別な空間だと再認識しました。人に優しく、など当たり前の事でも坊さんの話として真剣に聞いてくれ、寺としての役割を感じます」と話す。

高齢者向け講演では住職(手前左)も聴講
高齢者向け講演では住職(手前左)も聴講


取材の最後に住職は「寺は昔からコミュニティの場であり、縁を結びつなげる大切な役割があります。互いに顔を知り合い、頼られるようになりたい」と寺院の″場〟の力について語った。
超泉寺では、今後も「縁」を大切に様々な活動を続けていくという。