浄土宗新聞

德川宗家19代が当主を継承 継承式「継宗の儀」1月29日 大本山増上寺

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江戸幕府初代将軍・德川家康から続く、德川宗家の家督継承の儀式「継宗の儀」が1月29日、大本山増上寺(小澤憲珠台下=東京都港区)で執り行われた。

継宗の儀の様子。導師を務める小澤台下(左)と19代家広氏(中央奥)。(©德川宗家)
継宗の儀の様子。導師を務める小澤台下(左)と19代家広氏(中央奥)。(©德川宗家)


これは約60年間、当主を務めた18代恒孝(つねなり)氏(83)が昨年末でその座を退き、今年1月1日に家督を継承した長男の家広(いえひろ)氏(58)が19代当主に就いたことを記念し開催されたもの。
家広氏は米国の大学院を経て、国連食糧農業機関(FAO)などに勤務。現在は翻訳家として活動するほか、(公)德川記念財団理事長を務めている。
儀式の名称「継宗」には、先祖歴代の墓を守り後代へと繋げるという意味が込められており、祝儀として開催されるのは、江戸時代の第11代家斉(いえなり)から12代家慶(いえよし)の生前交代以来、185年ぶりのことだという。
儀式は非公開で行われ、親族の德川・松平一門をはじめ、両家とのゆかりが深い自治体の関係者など、約400人が参列。歴代当主が引き継いできた品が、家広氏に譲られたという。
読経や継宗に伴うあいさつのほか、香を献上する「献香」などが行われた。また会場となった大殿(本堂)前では、「江戸消防記念会」による特別演舞も奉納された。

特別演舞では「はしご乗り」が披露され、参加者からは拍手が送られた
特別演舞では「はしご乗り」が披露され、参加者からは拍手が送られた


式典後に開かれた記者会見で家広氏は「あらためて責任の重さに身が引き締まる思いです。父が守ってきたものを引き継ぎ、きちんとまた未来へとつないでいかなければいけないという思いを新たにしました」と、抱負を述べた。
増上寺は、家康が関東を治めるようになり、同家の菩提寺として選ばれた寺院で、家康逝去の際には同寺で葬儀が行われた。境内墓所には6人の歴代将軍をはじめ、将軍家関係者が眠る。