浄土宗新聞

「和の素材」を生かした心地よい建築空間を創造 木曽アルテック社 本社ショールーム「感樹館」・本社工場

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長野県塩尻市・法然寺檀信徒

 JR中央本線奈良井駅から伝統的建造物が立ち並ぶ旧中山道を歩くこと約15分、途上左折して奈良井川沿いの道をたどれば、全面無垢材で覆われた瀟洒な建物が見えてくる。木曽の良質な木と伝統的な漆の技術を生かした建築空間を創造する木曽アルテック社のショールーム、その名も「感樹館」。

無垢材をふんだんに使用して建てられた本社ショールーム「感樹館」

 樹の温もりを実感できる館とあってか、肌触りも見た目にも優しい木や漆の製品があふれている。「和の素材」を取り入れた「多様性のある住まいづくり」を目指す代表・齊藤寛親さん(78歳)の想いの表れと言えるだろう。
 大きい一枚板のテーブルや、漆塗りのバスタブなどの他、天然無垢材を使用した椅子や戸棚、漆和紙、漆器などがびっしり。隣接する工場で製作された製品を一堂に会した贅沢な空間だ。
 もともと沈金師として名高い父・巣山林山さん(人間県宝)から沈金(漆器の装飾技法の一つ)の技法を教わったという寛親さん。父親とは一線を画した生き方を求めて、30数年前に同社を設立。木工家具の製造から、漆塗り建材の開発、住宅のリホームなど手広く事業を展開してきたという。
 その製品は、「ザ・ペニンシュラ東京」や「仁和寺」「東京スカイツリー」などにも納められているというから驚くばかりだ。同社が手がける製品は、東京の青山ショールーム「漆見本店」や京都の銀閣寺ショールーム「銀意匠」でも見ることができる。
 製品の中でも、今一番注目を浴びているのが、「漆和紙」。抗菌性が極めて高く、調湿性も良いという優れもので、壁材に使用することで一枚一枚がオリジナルになるという。「とても心地良いと感じてくださるお客さまが多いんですよ」と寛親さん。
 外国からの問い合わせも増え続け、数年前からは子息の壮樹さん(43歳)も経営に参画。何とも頼もしい限りだ。その伝統はこれからも受け継がれていく。
 (ライター:藤井勝彦)

家具や漆製品などが並ぶショールームで漆和紙を手にする寛親さん

〒399-6303 長野県塩尻市奈良井82-1
TEL:0264-34-3303
■営業時間=8時30分〜17時30分
■定休日=日曜、祝日、第2第4土曜日
■JR「奈良井駅」より徒歩15分
■駐車場あり
■HP=http://www.kiso-artech.co.jp/
■資料請求あり