浄土宗新聞

【浄土宗の読む法話】日常生活にお念仏を

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仏教と言えば「南無阿弥陀仏」、「南無阿弥陀仏」と言えばお念仏と言われるほど、多くの日本人に馴染みのある言葉です。では南無阿弥陀仏のお念仏は、なぜ称えるの、いつ称えるの、その意味は、と尋ねれば、浄土宗の熱心な信徒さん以外は知らない方が多いのではないかと思います。

浄土宗では元祖法然上人のお念仏を日常生活の仲で、何時でも、どこでも、何回でもお称えすることをお勧めしています。なぜお念仏を称えることをお勧めするかと言えば、一言で言えば誤りのない幸せな人生を送って頂き、最後には極楽浄土に往生をして頂くためです。こう言えば、別にお念仏を称えなくともお金やモノで幸せになれる、と思われている人もおられるでしょう。確かにモノやお金で得られる幸せもあります。でもその幸せは、直ぐに飽きてしまいます。そして、次のモノがまた欲しくなり次々と欲望が湧いてきます。その結果、欲望にブレーキがきかなくなり人生の道を踏みはずしたり、人との争いをおこすことになり迷いや不平不満の人生となるのです。

何故なら全ての人間は「とん(貧)」「じん(瞋)」「ち(痴)」といわれる三つの煩悩を持っており、この煩悩は止まることがないからです。「とん」は欲深い煩悩、「じん」はイライラ、かっかする腹立ちの心、「ち」は愚痴の心のことです。

お念仏はこの心の煩悩を抑えてくれるのです。そして必ず浄土に往生できるのです。だからお念仏を称えることをお勧めしているのです。お念仏は立派な仏壇がなくても、誰でも、何処でも称えることができます。イライラかっかした時、不安な時、就寝の布団の中で、車の中で、トイレでも結構、ぜひ一度称えてみて下さい。きっと貴方の心が和らぎます。お念仏を称えることが日常生活の習慣となれば、誤りのない幸せな生活を送ることができるのです。ぜひ人生の道標となるお念仏を日常生活に取り入れて頂きたいと願っています。

合掌

滋賀教区 蒲生第一組 永福寺 西川章生