浄土宗新聞

モーリー・ロバートソン氏、俵万智氏ら、幸せについて語る 第4回法然フォーラム 開催 

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(左から)哲夫氏・モーリー氏・俵氏・吉田師・戸松師による座談。浄土宗開宗に至った法然上人の苦労について触れられると、俵氏が思わず「法然上人、推せる!」と漏らす場面もあった

 浄土宗(川中光敎宗務総長)は6月5日、令和6年(2024)に迎える浄土宗開宗850年の慶讃事業の一つ「浄土宗開宗850年記念 法然フォーラム これからの幸せ」の第4回目を、福岡国際会議場(福岡市博多区)で開催、約700人が来場し盛会となった。
 これは、開宗850年のキャッチコピー「お念佛からはじまる幸せ」をもとに、紛争・疫病・自然災害が頻発し、世界の平和が揺らぐ中、「幸せとは何か」を問い、来場者と考えることを目的に企画。タレントやミュージシャンとしても活躍する国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソン氏、ベストセラー歌集『サラダ記念日』などで知られる歌人の俵万智氏、浄土宗僧侶でカレーを通じて仏教を伝える〝カレー坊主〟こと吉田武士師を招き、漫才師の笑い飯・哲夫氏を司会進行、浄土宗総合研究所副所長の戸松義晴師をコメンテーターに行われた。

身振りを交えながら、エピソードを語るモーリー氏


 モーリー氏は講演で、幼少期から日米を行き来するなかで文化の違いに翻弄され、七転八倒しながら過ごした青春時代の経験などを踏まえ、「自分のことを理解してもらえないときも多いが、自分は自分が好き。今までやってきたことすべてに意味があると気がついた」と述べた上で、「本当の自分と出会うことが大事」という〝モーリー流幸福論〟を語った。
 〝幸せがたり〟と題した哲夫氏によるユーモアあふれる仏教談義を挟んで行われた座談では、俵氏は自身の代表的な短歌10首を引き合いに、短歌に込めた小さな幸せについて語り、吉田師は子ども食堂などの活動の経験を通じて「お互いに分かり合えない私たちだからこそ、言葉を尽くすことが大事」と述べた。
 戸松師は、講演や座談のなかで登壇者らが幸せについて語る表情に触れ、「ありのままを受け止めて、ほほ笑むこと。それが幸せな生活を送るうえで肝要になるのではないか」と締めくくり、盛況のうちに幕を閉じた。

フォーラムは、全国各地で計9回開催予定。詳細は開宗850年HPから。