佐々井秀嶺師 日本の若者に向け講演 6月24日 佛教大学
佛教大学(京都市北区)が6月24日、日本出身の僧侶でインド仏教の指導者の佐々井秀嶺師による「若者たちへ」と題した講演会を開催した。これは半世紀以上、カースト制度のもとで差別を受ける人たちとともに生きた佐々井師の経験を学生に伝えたいと同大社会学部が企画したもの。
1935年生まれの佐々井師は25歳で出家、67年にインドのナグプールに赴くと、同地で数十万の元不可触民(最下層のカーストに属する人々)とともに、仏教に改宗したビームラーオ・アンベードカル博士(1891―11956)の遺志を継承して不可触民解放運動にまい進、民衆の支持を得ながらインド仏教の復興に取り組んできた。87歳の現在もインド各地で改宗式などを執り行っている。
講演はパーリ語の勤行で始まり、300人を超える聴衆と一緒に「ジャイビーム」(アンベードカル博士を称える「ビームの勝利」を意味する挨拶)と唱えると会場は一体感に包まれた。続いて、ネットで公開中の手記や写真を紹介、「傷まみれ、泥まみれ、糞まみれ」になりながらも、使命感を持って道を切り開き、民衆とともに生きてきた経験を伝え、「釈尊は、自らを灯とせよと説いた。自分が何をすべきか考え、奮起してほしい」と若者たちにエールを送った。