浄土宗新聞

極楽浄土に想いを寄せる 秋彼岸極楽浄土に想いを寄せる

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 秋分の日を中日とした7日間(今年は9月20日〜26日)の「秋彼岸」には、多くの寺院で「彼岸法要」が営まれます。「彼岸」とは、私たちの生きている迷いの世界「此岸」に対し、煩悩を越えた先にある「さとりの境地」を意味し、浄土宗では西方にある「極楽浄土」を喩えた言葉としても用いられます。
 法然上人が師と仰ぐ中国・唐代の僧・善導大師(613‐681)は、「春分・秋分の日には太陽が真西に沈むため、そのはるか彼方にある極楽浄土に心を寄せ、往生の想いを新たにするのに最適な日である」と説かれました。西の方角へと沈んでゆく夕日を観て、その彼方にある極楽浄土を想い描くことは「日想観」と呼ばれ、仏教における一つの修行として位置付けられます。これに倣い、浄土宗では彼岸を、極楽浄土を想い、そこへ往くための修行であるお念仏をとなえる期間としています。
 皆さまも法要に参列する際やお墓参りをする中、極楽浄土、そしてそこにいらっしゃる亡くなった方々を想ってお念仏をおとなえください。