ハワイ・マウイ島大規模火災 本堂 三重塔など主要伽藍が焼失 ハワイ開教区 ラハイナ浄土院
8月8日、米国ハワイ州マウイ島で起きた山火事では広域な地域が焦土と化し、同地に所在する浄土宗ハワイ開教区・ラハイナ浄土院(原源照主任開教使)もその猛火を受け、本堂をはじめとする主要伽藍が焼失する甚大な被害となった。
この山火事は、これまでに97人の死亡が確認され(9月15日現在)、壊滅的な被害をもたらし、いまも被災地区への住民の立ち入りが厳しく制限されるなど、生活の再建が進められない状態となっている。
ラハイナは同島西部にある町で、19世紀にはハワイ王国の首都が置かれ、その歴史的な街並みは観光地としても知られる。同地には、明治時代の日本人移民を発祥とする仏教寺院が3カ寺あり、ラハイナ浄土院(1912年創建)もその一つ。
ハワイで山火事は珍しくないが、当日は風が異常に強く、火の手が瞬く間にラハイナの町まで回ったという。原師は熱風が吹き付けるなか、当初、消火活動に当たったが、地元警察に促され、寺族らと避難。同院は本堂をはじめ、鐘楼堂、三重塔など主要伽藍は焼失したが、本尊・阿弥陀如来は同院に自らの意思で残った心配する信徒が身を顧みず、火が回る前に運び出し、焼失を免れた。
原師は米国史上最悪とされる山火事で、地域や寺院の復興に長い年月が必要となることに触れつつ、「大火後、いち早く宗内からお見舞いや激励をいただき、私や浄土院のメンバー(信徒)は、大変励まされました。当院も地域の一員として、新たに復興する町に貢献しうる寺院を目指して進みたい」と、その堅い決意を語った。
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