私たちにとって、墓とは何か? 『絶滅する「墓」 日本の知られざる弔い』
時の権力や死生観、土地や風土に根ざした習俗によって、日本では実に多様な葬送文化が育まれてきた。
しかし、過疎化や高齢化により、今その文化が風前の灯となっている。
土葬の現在から、肉体と魂を分けて埋葬する「両墓制」、沖縄の風葬やアイヌ民族の男女別葬、無数の遺骨を粉末状にして固めた「骨仏」まで―。
全国各地を取材したジャーナリストで浄土宗正覚寺住職の著者・鵜飼秀徳師が、滅びゆく日本の弔いの形を通して、日本人がいかにして死と向き合ってきたかを問いなおす。