浄土宗新聞

浄土宗開宗八五〇年 御忌・慶讃法要

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八五〇年続く教え 報恩の想い 捧げる

春の日差しが穏やかに降り注ぐころ、総本山知恩院、大本山増上寺・金戒光明寺・百萬遍知恩寺・清浄華院・善光寺大本願では、浄土宗を開かれた法然上人を偲ぶ「御忌」、さらに本年は浄土宗が開かれて850年の節目となることから、その喜辰をともによろこぶ慶讃法要が営まれます。

 「『南無阿弥陀仏』とお念仏をとなえれば誰でも極楽浄土に往生できる」との教えを掲げ、法然上人は今から850年前、43歳で浄土宗を開かれました。生涯をかけて人々を導いた上人は、建暦2年(1212) 1月25日、80歳で往生されました。
 その教えは弟子たちにより一層の広がりをみせ、弟子たちや上人を慕う人々は、毎月の命日(忌日)、御廟所(墓所)に集い「知恩講」と呼ばれる法要を勤めていました。これが御忌の起源とされます。
 もともと御忌は、天皇や高僧の忌日法要全般に用いられる言葉でしたが、大永4年(1524)、後柏原天皇が知恩院に対し、「知恩院は浄土宗の根本道場であり、上人の霊跡であるから、毎年1月に京都とその周辺の浄土宗僧侶を集め、法然上人〝御忌〟として7日間法要を勤めよ」と詔勅を送られたのを機に、法然上人の忌日法要として定着していったとされます。
 江戸時代には季節の行事として一般の人々にも広まった御忌は、ご命日の1月25日前後に勤められていましたが、明治10年(1877)、知恩院が4月に勤めたことをきっかけに、多くの寺院がその時期に営むようになりました。
 法然上人が850年前に開かれた浄土宗の教えは、現代にいたるまで多くの人々を救い、伝えられてきました。御忌法要が現代でも盛大に営まれ続けるのは、そのような方々の強い想いがあるからにほかなりません。
 特に開宗850年のご正当となる本年は、各本山で御忌法要などにあわせ開宗850年慶讃ご正当法要も勤められます。ぜひ、法然上人へ報恩の想いを伝える御忌大会と併せて、開宗をよろこび、そのありがたさをかみしめながらこの特別な法要にも参列いただき、ともに「南無阿弥陀仏」のお念仏をとなえ、法然上人へと想いを捧げましょう。

法要の日程は、浄土宗開宗850年の特設サイト「法要開筵」のページでご覧いただけます。