浄土宗新聞

人々の縁結ぶ天井龍 前住職が3年をかけ制作 大分・圓龍寺

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3月31日、大分県中津市にある圓龍寺(小笠原義宜住職)が、浄土宗開宗850年慶讃法要に併せて、天井龍の彫刻の開眼(新たに造られた仏像・仏画などに魂を請じ入れること)法要を執り行った。

法要で天井龍を開眼する義宜住職(右)
法要で天井龍を開眼する義宜住職(右)

開眼した天井龍の彫刻は、同寺の前住職・小笠原義生師(84)が、令和13年に、同寺が開創400年を迎えるにあたり、その機運を高めるために造ったもの。
篤信の近隣住民からタイワンヒノキの寄進を受け、令和3年春頃から丸3年をかけて制作。当初は、同寺の寺号にある「圓」に因んで、円形とする予定であったが、義宜住職が出した〝人々の縁を結ぶ〟∞(無限大)の龍にしてほしいとの発案で、8の字型となった。

天井龍は、畳10畳敷き(約4.7m×3.8m)のヤクスギの天井板に貼り付けられている
天井龍は、畳10畳敷き(約4.7m×3.8m)のヤクスギの天井板に貼り付けられている



この龍の顔立ちのもとにしたのは、江戸時代の絵師である円山応挙(1733-1795)の弟子・片山九畹(1779-1836)の描いた同寺寺宝「龍の画」。この画は中津市出身の九畹が同寺の檀信徒であったことから、寺に寄贈されたものという。
義生師は、「天井龍は本堂の中の荘厳の一つ。他の荘厳と調和させるよう造るのに苦労しました。お檀家さんには、この龍を通じて、菩提寺である圓龍寺との縁を感じてほしい」と想いを語った。
今後、同寺の〝シンボル〟として、また〝寺宝〟として檀信徒などに公開し、より参詣しやすい寺院を目指していくという。