浄土宗新聞

「災害支援ネットワークIwaki(DSNI)」発足

設立総会に参加した「災害支援ネットワークIwaki(DSNI)」のメンバー。前列中央が会長の馬目師。DSNIは災害支援ネットワークIwakiの略

設立総会に参加した「災害支援ネットワークIwaki(DSNI)」のメンバー。前列中央が会長の馬目師。DSNIは災害支援ネットワークIwakiの略

2月23日、福島県いわき市で馬目一浩師(福島・阿弥陀寺副住職)が会長となり、災害支援を目的とした団体同士が常日頃の連携を強化し、災害発生時の円滑な支援活動の展開をめざそうと「災害支援ネットワークIwaki(DSNI)」を発足した。現在は県内外約20の災害支援団体と個人有志で構成されている。
馬目師は、2011年の東日本大震災直後から、浄土宗僧侶によるいわき市の仮設住宅の集会場で被災者の話に耳を傾ける活動「浜○かふぇ」に携わり、その際、ボランティアを通じて知り合った同市社会福祉協議会(以下「市社協」)との連携により住民とスムーズに接することができたことから、地域団体とのつながりの重要性を感じたという。
19年10月に発生した台風19号を受け、市内の災害支援団体で構成される「いわき市被災者情報共有会議」が開設され、馬目師が議長に指名された。市社協の要請を受けた馬目師らは、浸水した地区で再びカフェ活動を開始。被災者のニーズを把握し、市社協と関係のある専門家などの協力を得ることで、心と体のケアや住宅再建に向けての情報をいち早く被災者に届けることができた。
こうした連携の拡充や、被災者と行政、支援団体をつなげる中間支援組織の必要性から、今回のネットワークが設立され、情報共有会議で議長を務めた馬目師が会長となった。
今後は、毎月1回、各団体の活動状況の情報交換会や、災害支援、防災に関する研修会の開催を計画している。
馬目師は「災害時のスムーズな連携には、普段からの信頼関係が大切。DSNIを通じ、定期的に各団体と顔を合わせて情報を共有し、多様化する災害に備えたい」と語った。