浄土宗新聞

食料品を生活困窮者へ 「弘願院ともいきフードドライブ」 石川・弘願院

檀信徒・近隣住民らから集まった食料品。森岡達圭住職(中央)

檀信徒・近隣住民らから集まった食料品。森岡達圭住職(中央)

石川県金沢市にある弘願院(森岡達圭住職)では、寺院を拠点にSDGs(持続可能な開発目標)に取り組み、人々に食品ロスへの関心を高めてほしいとの思いから、昨年より食料品の寄付を募り、各方面への配布を行っている。浄土宗では、「共生」を「ともいき」と読むことにちなんで、森岡住職はこの活動を「弘願院ともいきフードドライブ」と名付けた。
これまで檀信徒を中心に、近隣住民からも米や菓子などが寄せられ、同市内の子ども食堂や県母子寡婦福祉連合会を介して、ひとり親世帯などにも配っている。
また、この活動をより周知するため、例年春彼岸の時期に行っている同寺寺宝で江戸時代作「絹本地刺繍仏涅槃図」(市指定文化財)の一般公開において、拝観料として食料品の寄付を募ることを企画。感染症対策のため限定での公開となったが、参拝者から多くの食料品が寄せられた。
森岡住職は「皆様の善意が、寄せられた食料品という形で巡り巡って見ず知らずの人へ届く。互いが助け合うという仏教の根幹にある教えを知ってもらう機会としていきたい」と話した。