浄土宗新聞

身を引き締め 決意新たに 新命住職認証奉告式 7/19 総本山知恩院にて奉修

知恩院御影堂内で行われた奉告式の様子。参列した新命住職25名は、それぞれ新たな決意を胸に法然上人に手を合わせた

知恩院御影堂内で行われた奉告式の様子。参列した新命住職25名は、それぞれ新たな決意を胸に法然上人に手を合わせた

新たに浄土宗寺院の住職に認証された僧侶(新命住職)が、それを法然上人に奉告(神仏や貴人につつしんで伝えること)する「新命住職認証奉告式」が7月19日、総本山知恩院(京都市東山区)で執り行われ、新命住職は新たな門出を迎えた。
奉告式には、昨年4月から今年3月までの間に浄土門主・伊藤唯眞猊下から住職に認証された僧侶111名のうち25名と、その寺族(住職家族)や檀信徒ら22名、浄土宗関係者らが参列。伊藤猊下を導師に御影堂で営まれ、法然上人に、住職認証を受けたことを奉告した。
伊藤猊下は、賀詞(お祝いの言葉)の中で、近年のコロナ禍について触れ、「さまざまな要請に対して、網目を重ね合わせ、漏れる人が無きよう僧侶は本分を全うする努力を惜しまず、住職と檀信徒が一致協力のもと寺門の弥栄と宗風の宣揚に精進することを祈念します」と述べられた。
続いて、川中光敎宗務総長が、大正・昭和期に活躍した社会教育家・後藤静香氏の詩「第一歩」を引用しながら、「三笠山に登るのと、富士山に登るのでは、同じ一歩でもその険しさが違うように覚悟が必要。住職としていかにお寺を発展させるか考え、檀信徒の心をつかめるよう、命懸けで取り組んでほしい」と新命住職を激励した。
その後、同院月光殿と雪香殿を会場として、新命住職を対象に、「住職・代表役員の心得と任務」と題し、また寺族・檀信徒を対象に、「総代・寺族の役割」と題した研修会を行い、参加者は、それぞれ真剣な眼差しで研修に臨んでいた。
昨年6月29日に九品寺と専称寺(ともに福島県いわき市)の住職に認証され、参列した遠藤弘道師は「コロナ禍にもかかわらず、祖山で法然上人に奉告し、ご門主猊下のお言葉を直接賜る機会をいただいたことを感謝しております。住職として寺院をお預かりするにあたり、改めて身の引き締まる思いでした」と感想を語った。

伊藤猊下(写真左奥)から、お十念を授かる新命住職
伊藤猊下(写真左奥)から、お十念を授かる新命住職