浄土宗新聞

造立から約800年 総本山知恩院に安置 源智上人造立阿弥陀如来立像 遷座法要を厳修

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 4月9日、総本山知恩院(伊藤唯眞猊下=京都市東山区)で、「源智上人造立阿弥陀如来立像遷座法要」を浄土宗と総本山知恩院の共催で営んだ。
 高野山真言宗の玉桂寺(滋賀県信楽町)が所蔵していた、「源智上人造立阿弥陀如来立像」(重文)が、平成23年の宗祖法然上人800年大遠忌の際に浄土宗に迎えられ、京都国立博物館に寄託されていた。浄土宗は開宗850年を期に同像にふさわしい安置場所の検討を重ね、同院集会堂の本尊として祀られることとなった。
 同像は、高さ3尺(98・7㌢)の一木割矧造で鎌倉時代の仏師快慶の工房で作られたもの。手には極楽浄土へ導くことを表す来迎印を結び、左足をわずかに踏み出して歩み寄る姿をしている。
 像内には源智上人自筆の願文を芯に、結縁交名や念仏数取状などが丸めた状態で納められており、その願文では源智上人が法然上人の恩徳に報謝するために同像を造立し、像内に納めた「数万人の姓名」を法然上人および先亡者が極楽浄土へ導くことを願っている。
 多数の結縁交名に書かれた名前は4万6千人にもおよび、源頼朝など著名な人物や全国各地の念仏結縁衆の名前が道俗・貴賤・生死の区別なく書き記されており、源智上人の足跡や思想を辿る第一級の史料として注目を集めている。
 伊藤猊下を導師に集会堂で勤めた法要には、大本山金戒光明寺の藤本淨彦台下、大本山百萬遍知恩寺の福𠩤隆台下、大本山清浄華院の飯田実雄台下、大本山善導寺の日下部匡信台下など宗内外関係者約180名が参列。法要中、川中光敎宗務総長と貴田善澄知恩院執事長によって除幕され、同像が参列者に公開された。
 法要後には、伊藤猊下を講師に「源智のひめたるこころ―念仏結縁交名を通して―」と題して記念講演が行われ、猊下の過去の研究に基づいた解説が行われた。
 また、法要に併せて浄土宗開宗850年の節目に全国から集められた18万以上もの令和版結縁交名が奉納された。

源智上人造立阿弥陀如来立像の下で記念講演を行う伊藤猊下