浄土宗新聞

末永く念仏広める道場に 大殿屋根瓦総葺き替え竣工式 大本山増上寺

法要に先立ち、友田達祐執事長によって大殿を浄める作法が行われた

法要に先立ち、友田達祐執事長によって大殿を浄める作法が行われた

11月29日、東京都港区にある大本山増上寺(八木季生台下)は、令和2年10月に着工した大殿屋根瓦総葺き替えの竣工式を勤めた。
昭和49年に建立された大殿の屋根瓦には、ひび割れや瓦をつなぐ銅線の断絶や緩みが各所に発生。また、土瓦約6万枚が載った屋根の総重量は約500トンに及び、建物への負担も大きく、耐震性を強化する必要があった。
同寺は、令和6年に迎える「浄土宗開宗八百五十年慶讃事業」の一環として、軽量で耐食性に優れたチタン瓦への総葺き替えを決定。浄財を募るための「瓦志納」には、約3万人から瓦約1万8千枚分、約1億8千万円の寄進があり、令和3年10月29日に葺き替え工事が完了。屋根の重さは10分の1となった。
当日は八木台下を導師に、同寺関係者と施工業者らが参列。八木台下は御垂示で関係者に謝辞を述べるとともに、「この道場で多くの僧侶を育て、念仏弘通の俊英を導き、日本仏教の発展と世界平和の実現に邁進する」と誓われた。