浄土宗新聞

大分米一升運動 始動10年 地域に根ざした運動へ 大分教区浄土宗青年会

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大分県内にある浄土宗寺院の青年僧侶で組織する大分教区浄土宗青年会(吉峰孝順会長)は3月25日、大分市の龍泉寺(吉峰信道住職)で、教区内の各寺院に檀信徒から供えられたコメ(「仏供米」)を提供してもらい生活困窮者らに配る「大分米一升運動」の発送作業を行った。
会員ら約10人が参加し、協力寺院を回ってコメを集めた後、検品を兼ねて用途別に袋詰めし、フードバンク大分、グリーンコープ大分、明野子ども食堂など県内の生活困窮者支援団体に寄託。今回の活動では、14カ寺から約1・3トンのコメが提供された。
この運動は、平成23年の東日本大震災の際、大分教区の僧侶有志が遠隔地から被災地支援ができないかと考え、食料支援のノウハウがあった社会事業委員会「ひとさじの会」の協力を得て始めたもの。今年で始動してから10年という節目を迎えた。
平成28年までは東北の被災地支援を行っていたが、同年4月に発生した熊本地震を受け、支援する対象を熊本に切り替え、さらにコロナ禍の現在では、被災地支援から県内の生活困窮者支援を中心に活動を行っている。
運動の発起人の一人・鶴山恒教大分教区長(国東市蓮華寺住職)は、「当初手探りであったこの運動が、今では地域に根ざしたものになり、檀信徒の皆さまが率先して協力していただけるようになって非常にうれしい」と思いを語った。

龍泉寺で仏供米の袋詰め作業を行う大分浄青会員
龍泉寺で仏供米の袋詰め作業を行う大分浄青会員
集めたコメの一部を大分市社会福祉協議会へ運んだ
集めたコメの一部を大分市社会福祉協議会へ運んだ