小澤新法主 ご入山 八木前法主から法灯を継承 大本山増上寺
6月7日に大本山増上寺(東京都港区)の89世法主に推戴された小澤憲珠台下の入山式と88世法主八木季生台下の退山式が8月1日、増上寺で厳粛に執り行われた。
はじめに八木台下の退山式が大殿(本堂)で営まれ、八木台下は退任の挨拶でこれまでの感謝の意とともに「850年前から続く、法然上人のお念仏の教えがこれからも末永く続いていくことを心から祈念しております」と述べられた。
その後、同寺総代を務める徳川宗家から、当主代理として徳川家広氏が出席。花束を贈呈し、4期14年にわたり法主を務められた八木台下をねぎらった。
時を同じくして、梵鐘の音を合図に、小澤新法主が、慈雲閣(開山堂)を出発し、八木台下が待ち受ける大殿まで、参列した僧侶とともに厳かに練り行列を開始した。
行列の途中、三解脱門の前で開門式を営み、「広開浄土門(「仏教の教えに従い広くお念仏の教えを開かん」との意)」の経文に合わせて、門の扉が開かれ、小澤台下は大殿へと進んだ。
大殿に昇殿した小澤台下は本尊前で待ち受ける八木台下のもとに進み、八木台下から歴代法主が使用してきた払子(法要で導師が用いる法具)を譲り受け、その法灯(仏法や寺院の伝統が相続してゆくこと)を継承。本尊及び同寺歴代上人に入山を奉告された。
小澤台下は入山の挨拶で、「88世八木季生台下より、増上寺の血脈を受け継がさせていただきました。念仏道場としての増上寺の伝統をしっかりと守り続けていきたい」と決意を述べられた。
当日は、浄土宗、増上寺の役職者や増上寺の塔頭寺院(大寺院の境内にある寺院)をはじめ、小澤台下が住職を務めた極楽寺(東京都八王子市)関係者ら約100名が参列した。
8月29日には、総本山知恩院にて認証式(伊藤唯眞浄土門主から認証を受ける式典)を予定している。