浄土宗新聞

浄土宗開宗850年慶讃事業 法灯リレーを事前実施 11/16 全国浄土宗青年会

投稿日時

全国の若手僧侶で組織する全国浄土宗青年会(寺井孝導理事長= 北海道・宝隆寺副住職)が11月16日、浄土宗が令和6年に迎える開宗850年の慶讃事業の一つで、5月9日から実施予定である「法灯リレー」の事前念仏行脚を行った。

報恩蔵の灯を持ち、念仏行脚を行う僧侶
報恩蔵の灯を持ち、念仏行脚を行う僧侶

法然上人は、京都府と滋賀県にまたがる比叡山山腹にある元黒谷の報恩蔵で学問に励み、中国の高僧・善導大師の書物に記された一文と出会い、念仏の教えに確信を得て浄土宗を開かれた。「法灯リレー」は、上人の教え(法灯)の尊さを開宗850年を機にあらためて檀信徒に伝えていくために、報恩蔵の灯を上人のみ教えと仰ぎいただき、それを、上人が教えを弘め、入滅した地に建つ総本山知恩院(京都市東山区)まで行脚して運び、その後、灯は日本国内や海外の檀信徒に分灯する。
今回の行脚は、その周知を目的として行われた。報恩蔵が建つ元黒谷・青龍寺から法然上人がはじめて草庵(住居)を結んだとされる大本山金戒光明寺(京都市左京区)までの約16キロを歩いた。
当日は青龍寺に全国から会員26名が集い、本尊・阿弥陀如来像の前にある灯明を宮林雄彦宗務役員が、寺井理事長の手にするろうそくに灯し行脚が始まった。
ろうそくは吊灯篭(写真下)に納められ、それを捧持した寺井理事長先導のもと、会員が交代しながら、青龍寺から約1.2キロにわたる険しい山道を下り、金戒光明寺までの市中を念仏をとなえながら行脚した。街中では、市民や観光客らから応援の声が送られた。

報恩蔵より分けられた灯が納められた吊灯篭
報恩蔵より分けられた灯が納められた吊灯篭

同寺に着いた一行は、法灯を阿弥陀堂本尊前のろうそくに灯した後、法要を営んで行脚を締めくくった。
長距離に及ぶ行脚に、会員は疲れた表情を見せながらも、「850年前に法然上人が歩んだ足跡をたどることができてよかった」とよろこびを口にしていた。
寺井理事長は、「今回は本番を想定した事前準備ができ、身が引き締まるとともに、本番に向け新たなスタートを切れた」と思いの丈を語った。