浄土宗新聞

法要通じ名越派の教えと作法伝える 山形・白雄寺

開眼の様子。中央奥が白雄上人尊像

開眼の様子。中央奥が白雄上人尊像

11月23日、山形県村山市の白雄寺(村田圭信住職)が、同寺開山で浄土宗の流派の一つであった名越派の僧侶・松岡白雄(はくおう)師(1851―1923)の百回忌にあたり、同派の教義や作法を後世に伝えたいとの想いから、「開山松岡白雄上人百回忌 寺院創設百周年記念法要」を営んだ。
名越派は、浄土宗三祖・良忠上人の弟子、尊観(1239―1316)が立てた流派。北関東から東北で広まり、独自の伝法(師から弟子への教えの伝授)や作法等があったが、大正時代に浄土宗の中心的存在であった白旗派と統合した。
松岡師は、最後に名越派の伝法を行う伝灯師となった僧侶。廃寺となっていた同寺を復興し、弟子の育成にあたるなど、同派の興隆を目指し尽力した。
当日は、木枠につるした鉦などを独特のリズムで打ち鳴らして念仏をとなえる名越流双盤念仏が響くなか、7月に建立した白雄上人尊像の開眼が勤められた。
村田住職は、「今の浄土宗の教え、作法と調和を図りつつ、名越派の伝統を後世に遺したい」と話した。