浄土宗新聞

3年後の完成目指し全国を勧進 「いのり大佛」建立事業始動

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「いのり大佛」の完成イメージ

東日本大震災から12年となった3月11日、宮城県石巻市門脇町の西光寺(樋口伸生(しんしょう)住職)で、東日本大震災の遺族をはじめとしたすべての人々の悲嘆や苦悩を受け止める大仏の建立を目指す「いのり大佛プロジェクト」が始動した。
プロジェクト代表を務める樋口住職、西光寺震災遺族会「蓮の会」の鈴木由美子氏、大仏建立の寄進を募る「勧進僧」代表の吉水岳彦師(東京都台東区・光照院住職)ら関係者が、十三回忌を迎えたこの日、午前・午後の2回にわたり十三回忌法要を厳修後、計画発表会を開き、「いのり大佛」に込めた思いを語った。
石巻市震災遺構門脇小学校隣の西光寺墓地にある慰霊広場「祈りの社」に、台座や光背を含めた高さ約5メートルの「阿弥陀如来坐像」を建立する。愛知県豊田市産の花沢石を使った石仏で、令和8年(2026)3月11日の完成を目指す。事業費は4千万円から5千万円を見込み寄進を募っている。
樋口住職は「12年が過ぎても癒されない悲しみ苦しみを抱えている遺族や、人生を苦悩する人などすべての人の心の支えとなる仏さまを迎えたい」と語った。