浄土宗新聞

浄青会員らが青龍寺から念仏行脚で携え 浄土宗開宗850年慶讃事業 法灯リレー スタート

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比叡山青龍寺から総本山知恩院へ向けて出発し、途中、険しい山道を行脚する全浄青会員ら。先頭を歩む寺井理事長が手に持つ吊灯籠には青龍寺報恩蔵から分灯された法灯が納められている

令和5年5月9日、全国の若手僧侶で組織する全国浄土宗青年会(全浄青=寺井孝導理事長)が、新緑が目に鮮やかな比叡山の青龍寺から、法灯を携え総本山知恩院へ念仏行脚し、法灯リレー開白法要が営まれた。

 「法灯リレー」とは、法然上人の教えの尊さをあらためて檀信徒に伝えることを目的とした開宗850年慶讃事業の一つ。全浄青会員が、上人がお念仏の教えに確信を得、浄土宗を開くきっかけとなった「一心専念の文」と出会われた比叡山青龍寺報恩蔵の灯を上人の“み教え”と仰ぎいただき、上人がその教えを弘めるために庵を結んだ地に建つ総本山知恩院(京都市東山区)まで念仏行脚を行い、同院で開白法要が勤められた。今後、全国や海外の浄土宗寺院を通じて、各地の檀信徒と結縁(お念仏と縁を結ぶこと)する。結縁した方々には、その証として、「令和版結縁交名」が渡され、南無阿弥陀仏の名号をなぞり書きいただき、開宗850年の祥当にあたる来年、再び知恩院で営まれる結願法要で奉納される。
 当日は報恩蔵からいただいた灯を特別に製作した吊灯籠に分灯する法要が午前7時から青龍寺本堂で営まれた。お念仏の声が響き渡るなか、法灯を受けとった寺井理事長ら約170名の全浄青会員たちは、比叡山の険しい山道を一歩一歩下り、大本山金戒光明寺(京都市左京区)など法然上人ゆかりの地を経て、知恩院を目指した。
 会員たちはお念仏をとなえながら、14キロメートルの道のりを歩み、午後2時、無事に知恩院に到着。宗内関係者や檀信徒らが出迎える中、御影堂に祀られる法然上人御影像の御前に法灯を奉納、浄土門主・総本山知恩院門跡伊藤唯眞猊下を導師に「法灯リレー開白法要」が営まれた。
 伊藤門主は御垂示で「″法灯〟とは我々の人生の足元を照らす灯りで、すなわち“お念仏の教え”。そのみ教えが、世界に弘がり、新たに結縁していくことを願っております」と述べられた。
 行脚を成満した寺井理事長は「行脚は容易ではありませんでしたが、お念仏の一声一声が私たちの歩みの力となりました。沿道で手を合わせる方々、声援を掛けてくれた方々のお姿をお見受けし、この事業の意義を感じました」と話す。

知恩院開白法要では伊藤門主から川中宗務総長へ法灯が授けられ、教区長や開教総監によって各地へ弘がっていく