浄土宗新聞

古市憲寿氏、小川さやか氏ら、幸せについて語る 第3回法然フォーラム 開催 5/16 電力ホール

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講演後、(左から)笑い飯哲夫氏、古市氏、小川氏、大江田師、戸松師で座談が行われた

 浄土宗(川中光敎宗務総長)は5月16日、令和6年(2024)に迎える浄土宗開宗850年の慶讃事業の一つ「浄土宗開宗850年記念 法然フォーラム これからの幸せ」の第3回目を、仙台市の電力ホールで開催、約800人が来場し盛会となった。
 これは、開宗850年のキャッチコピー「お念佛からはじまる幸せ」をもとに、紛争・疫病・自然災害が頻発し、世界の平和が揺らぐ中、「幸せとは何か」を問い、来場者と考えることを目的に企画。TVコメンテーターとしても知られる社会学者で作家の古市憲寿氏、立命館大学教授で文化人類学者の小川さやか氏、浄土宗僧侶の大江田絋義師を招き、漫才師の笑い飯哲夫氏を司会進行、浄土宗総合研究所副所長の戸松義晴師をコメンテーターに行われた。

講演を行う古市氏


 フォーラムは哲夫氏のユーモアあふれる仏教談義で開会。はじめの講演で古市氏は、不安定な世の中という意味では、法然上人が生きた中世と現代の状況は似ているとしたうえで、人々に不安が蔓延するこうした時代では、自分自身を客観視することが重要で、自らの考え方を良い方に変えることが楽に生きるためのコツであるとし、そのためには、その時々の自分の心に正直でいることが大事であると語った。
 続く座談会で小川氏は、専門分野であるアフリカ地域研究におけるタンザニア行商人の話を例に、自分がどんな境遇であろうとも受け止めてくれる他者を作ることの大切さを、大江田師は、人々とともに祈りを捧げている時や自然に触れ合っている時に幸せを感じるとし、「自分も自然の一部である」と考えた時に、ありがたい気持ちと同時に他者への感謝の思いも沸き上がると述べた。
 戸松師は、「色々な人との関係性があって幸せがある。そこに、ぜひ亡くなられた方も入れてもらい、その思いも受けることで、私たちも幸せでありたい」と締めくくり、来場者とともにそれぞれの大切な人が平和で心安らかにいられるよう祈りを捧げた。

フォーラムは、全国各地で計9回開催予定。詳細は開宗850年HPから。