最新記事一覧
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施餓鬼会
「施餓鬼会(せがきえ)」は「おせがき」とも呼ばれ、特に5月から8月のお盆前後にかけて、多くの浄土宗寺院で営まれます。亡くなった大切な方々をご供養する法要と考える方も多いとは思いますが、本来は食べ物や飲み物がのどを通らないために飢えや渇きに苦しむ存在「餓鬼(がき)」に施しをすることを目的にします。その由来はお経の中に次のように説かれます。——あるときお釈迦(し -
連載 仏教と動物 第18回 蛙にまつわるお話
お釈迦さまの前世における物語『ジャータカ』をはじめ多くの仏教典籍(仏典)には、牛や象などの動物から、鳥や昆虫、さらには空想上のものまで、さまざまな生き物のエピソードが記されています。この連載では『仏教と動物』と題して仏教における動物観や動物に託された教えについて紹介いたします。第18回目は、身近で親しみのある動物「蛙」を取りあげます。 古今東西の物語で語られ -
令和5年5月
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浄土宗開宗850年記念連載 法然上人の生き方に学ぶ
第1回 「死」の考え方を学ぶ ——法然上人の生きた時代 浄土宗を開かれた法然上人の一生は平坦なものではありませんでした。多くの苦難に直面されながらもお念仏の教えに出会われ、ともに歩まれた中から学ぶことができる〈知恵〉について、京都文教大学教授の平岡聡先生にお話しいただきます。 なくならない「死」という問題 人間の思考は、生まれた時代や地域に大きく左右されます -
心ゆくまで味わう 法然さまの『選択集』 第7回
浄土宗で〝第一の聖典〟と位置づけられる書物『選択本願念仏集』(『選択集』)。「極楽往生を遂げるためには、何より〝南無阿弥陀仏〟とお念仏をとなえること」とする浄土宗の教えを、宗祖法然上人(1133ー1212)が微に入り細に入り説き示された「念仏指南の書」ともいえるものです。大正大学教授・林田康順先生に解説していただきます。 第1章道綽禅師聖道浄土の二門を立てて -
【浄土宗の読む法話】浄土宗開宗の喜び
鶯の 谷よりいづる 声なくは 春くることを 誰か知らまし この和歌は、平安時代の歌人・大江千里が、「鶯よ、早く山から出て来て皆に春を知らせておくれ」という思いを詠んだものです。鶯が「ホーホケキョ」と鳴くと春の訪れを感じるので、鶯のことを「春告鳥(はるつげどり)」とも呼びます。カレンダーなどなかった昔の人は、きっと鶯の囀ずる声を聞いて春の到来を喜んでいたのでし