最新記事一覧
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【お坊さんエッセイ】雪の色を奪いて咲ける 梅の花 今盛りなり 見む人もがも
雪の色を奪いて咲ける 梅の花 今盛りなり 見む人もがも(雪の白さを奪って咲いている梅の花は今が盛りだ。見てくれる人がいるといいな。) 雪が降り積もるなか、白い梅の花が、雪のすべての色を「奪い取って咲いている」という表現には、いのちが爆ぜるような力強さを感じます。 この歌は大伴旅人という奈良時代の歌人が詠んだもので、7世紀から8世紀にかけて編纂された日本最古の -
浄土門主 総本山知恩院門跡 伊藤唯眞猊下 年頭ご挨拶
魚くふもの往生をせんには鵜ぞせんずる 人々が後世(ごせ)の救いについて話しあっているうちに、往生と魚食(うおじき)の是非が問題となり、ある人が「魚を食べない者が極楽へ往生できる」と主張すれば、別の人は逆に「魚を食べる者こそ往生ができる」と反論しました。 これを聞いた法然上人は、「魚を食べる者が往生できるのなら、鵜(う)がするだろう。魚を食べない者が往生するの -
大本山ご法主台下 新年ご法話
浄土宗には由緒沿革により全国に七つの大本山があります。その住職を法主(ほっす)といい、「ご法主台下(だいか)」とお呼びしています。新年にあたり、各大本山のご法主台下から読者の皆さまに一口法話を頂戴いたしました。 大本山 増上寺法主 小澤憲珠(おざわけんじゅ)台下 『一紙小消息』の冒頭に「末代の衆生を往生極楽の機にあててみるに…」という文句があります。末代の衆 -
浄土宗開宗850年慶讃事業 法灯リレーを事前実施 11/16 全国浄土宗青年会
全国の若手僧侶で組織する全国浄土宗青年会(寺井孝導理事長= 北海道・宝隆寺副住職)が11月16日、浄土宗が令和6年に迎える開宗850年の慶讃事業の一つで、5月9日から実施予定である「法灯リレー」の事前念仏行脚を行った。 法然上人は、京都府と滋賀県にまたがる比叡山山腹にある元黒谷の報恩蔵で学問に励み、中国の高僧・善導大師の書物に記された一文と出会い、念仏の教え -
法要通じ名越派の教えと作法伝える 山形・白雄寺
11月23日、山形県村山市の白雄寺(村田圭信住職)が、同寺開山で浄土宗の流派の一つであった名越派の僧侶・松岡白雄(はくおう)師(1851―1923)の百回忌にあたり、同派の教義や作法を後世に伝えたいとの想いから、「開山松岡白雄上人百回忌 寺院創設百周年記念法要」を営んだ。名越派は、浄土宗三祖・良忠上人の弟子、尊観(1239―1316)が立てた流派。北関東から -
客殿襖絵に釈迦十大弟子 茂本ヒデキチ氏 松山・大林寺に奉納
11月14日、愛媛県松山市の大林寺(大嶋浩揮住職)客殿の襖10枚に、墨絵アーティスト・茂本ヒデキチ氏(浄土宗開宗850年慶讃ポスターイラストを制作)が、お釈迦さまの十大弟子を描き奉納した。これは、茂本氏と高校時代からの友人である大嶋住職が、国内外で活躍する茂本氏の墨絵を故郷に遺したいとの想いから発案。茂本氏はこれを快諾し、9月に同市で開催された個展で制作した