浄土宗新聞

鰹や鮪の旨味が幸せを呼ぶ焼津水産加工業の老舗 ぬかや斎藤商店

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左から鰹のなまり節、鮪のかぶと角煮、真鯛のかま味噌漬け、銀鱈の粕漬け、はらもくん製。はらもとははらみのことで、お腹側の脂の乗った部位のため、柔らかくて美味しい。

 静岡焼津漁港といえば、鰹の水揚げ量日本一として知られる漁港である。そのすぐ側の南北に連なる浜通りは水産加工業の発祥の地でもあり、古くから焼津の発展に大きく貢献したところであった。明治時代には、小泉八雲ことラフカディオ・ハーンがこの地を愛したところから、「八雲通り」とも呼ばれている。
 その中程で100年以上も前から水産加工業を営むのが、今回紹介する「ぬかや斎藤商店」だ。格子窓の古風な建物と、赤く塗られた「ぬかや」と書き込まれた大きな看板が目印だ。正面付近に並べられた商品を眺めながら奥へ。長い廊下を突き進んだその先が工場である。そこで製造した鰹や鮪、鯛などの加工品を入口に並べて販売しているのだ。さらに2階では、魚河岸ショップと銘打った魚河岸シャツ(6千〜9千円前後)まで販売している。なんでも昔は、焼津の漁業関係者が屋号入りの手ぬぐいを名刺がわりに交換していたとか。それを縫い合わせて作ったシャツが大人気なのだという。
 1階入口で販売するのは、鰹のなまり節(1節648円)をはじめ、鰹のはらもくん製(80㌘489円)、真鯛のかま味噌漬け(5切入1026円)、鮪のかぶと角煮(90㌘518円)等々、種類も実に豊富。中でもご主人・斎藤五十一さんが特にお薦めするのが、鮪のかぶと角煮である。「希少価値の高い鮪の頭のところのお肉だけを佃煮にしたもので、ゼラチンも豊富で味わい深いですよ」。
 薦められるままひと口頬張れば、確かに、程よい歯ごたえの後にうまみ成分が口の中いっぱいに広がって幸せな気分に。「美味しいものを食べれば幸せになれる」その証というべきだろうか。娘さんの望月聖恵さんも、「添加物も加えていません。安心安全が一番ですから」と。家庭的な心優しい味わいと雰囲気に、心がほっこりしたものであった。
 (紀行ライター:藤井勝彦)

35カ国にぬかや斎藤商店のご主人の斎藤五十一さん、奥さんの佳那子さん、娘さんの望月聖恵さん
  • 〒425-0025 静岡県焼津市城之腰109-1
  •  TEL:054-628-4239
  • 営業時間=10時30分〜17時
  • 定休日=月曜日(臨時休業あり
  • JR東海道本線「焼津駅」から徒歩約20分
  •  ※価格は税込