浄土宗新聞

不思議なご縁で受け継がれた 名物「はねだぷりん」 BOOKCafe 羽月

投稿日時

神奈川県川崎市・正受院檀信徒

プリンに使う卵は美味しいと評判の「昔の味たまご」。「は
ねだぷりんドリンクセット」800円~。お土産用のプリンは1 個320円~。電話注文で地方発送可
プリンに使う卵は美味しいと評判の「昔の味たまご」。「は ねだぷりんドリンクセット」800円~。お土産用のプリンは1 個320円~。電話注文で地方発送可

「もともとうちは本屋だったんです。祖父が『羽田書店』を、その隣で祖母が『羽月(うづき)』という食堂を営んでいました」
そう話すのは穴守稲荷駅の目の前にある「ブックカフェ 羽月」の店長、安武祥吾(やすたけしょうご)さん。ショーケースにはプリンが並び、奥に進むと本がズラリ!
さっそく、大田区のお土産100選、人気の「はねだぷりん」3種を食べ比べ。
まずは、一番人気の「大地」。ひとくち目からまったり濃厚で、ほろ苦いカラメルが出てくると、グッと大人の味わいに。「大空」は、昔ながらの素朴な味で、しっかりとした弾力が印象的。
「令和」は、力強い卵の味が広がって、スッと溶けていく。
どれも材料はとてもシンプルだから、足し算、引き算のバランスで、こんなにも違いが生まれるのだ。

「もともと『はねだぷりん』を作っている職人がいたんですが立地的にうまくいかなかったそうで。そんなとき、知人の紹介で、うちが受け継いで製造、販売することになりました」
料理人だったこともある父が亡くなったときには、父の知人が、川崎にある正受院を紹介してくれて、家族皆で胸をなで下ろした。
今では、母、妹と一緒毎日プリンを手作りし、モーニング、ランチ、ディナーも提供。あさり飯の海鮮かき揚げ丼、チキン竜田から、ハッシュドビーフ、自家製レモネードやサングリアまで、ワクワクするメニューがいっぱいだ。
本棚には、書店時代からの蔵書、羽田周辺にまつわる貴重な絵本、安武さんが好きなマンガ、妹さん好みの写真関連書籍、店を訪れた漫画家さんの直筆色紙も。ふと、『フランス料理の学び方』という古い本に目が留まった。料理人だった安武さんのお父さんの本かな。

ここは、書店でも古書店でもない、どこにもない秘密基地図書館のよう。プリンをいただきながら、本棚を眺めるだけでパワーチャージできそうだ。
(フードライター: 藤岡操)

店舗情報

地元と本への愛が溢れ出す、店長の安武祥吾さん
地元と本への愛が溢れ出す、店長の安武祥吾さん

〒144-0043 東京都大田区羽田4-5-1
TEL:03−3741−1817
■営業時間= 火曜~土曜は10時~22時、日曜・
祝日は10時30分~20時30分
■定休日=月曜日
■京浜急行「穴守稲荷駅」をでてすぐ
■駐車場なし
※価格は税込