浄土宗新聞

ヤマザキマリ氏、立川談慶氏ら、幸せについて語る 第5回法然フォーラム 開催 10/31 札幌・道新ホール

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(左手前から)戸松師、哲夫氏、ヤマザキ氏、立川氏、寺井師による座談。この中では、宗教だけでなく、漫画や落語などそれぞれの立場がどのように人を幸せにするかについての意見も交わされた。

 浄土宗(川中光敎宗務総長)は10月31日、令和6年(2024)に迎える浄土宗開宗850年の慶讃事業の一つ、「浄土宗開宗850年記念法然フォーラム これからの幸せ」の第5回目を、札幌市の道新ホールで開催、約630名が来場し、盛会となった。
 これは、開宗850年のキャッチコピー「お念佛からはじまる幸せ」をもとに、紛争・疫病・自然災害が頻発し、世界の平和が揺らぐ中、「幸せとは何か」を問い、来場者と考えることを目的に企画したもの。漫画『テルマエ・ロマエ』の作者で、文筆家、画家でもあるヤマザキマリ氏、落語家の立川談慶氏、全国浄土宗青年会理事長の寺井孝導師を招き、漫才師の笑い飯哲夫氏を司会進行、浄土宗総合研究所副所長の戸松義晴師をコメンテーターに行われた。

ヤマザキ氏の率直な言葉に、来場者は時に笑いながら聞き入っていた


 ヤマザキ氏は講演の中で、新型コロナウイルスの流行によって、社会から疎外されることを恐れて深く考えることなく一般論に同調する人が増えているとし、そのような状況だからこそ、自分と謙虚に向き合いながら、それぞれがその時々の「幸せ」を考えることが大切ではないかとした。
 哲夫氏の〝幸せがたり〟と題した仏教談義を挟んで行われた座談の中で立川氏は、落語は聞き手に想像してもらうことが不可欠で、そのためには相手への思いやりが必要だとし、「笑いをお互い共有できることが落語の幸せ」とした。また、寺井師は、浄土宗青年会での活動などについて述べ、「一人でも多くの方に寄り添い、お念仏の教えをひろめることが皆さまの幸せにつながると信じて、これからも活動していきたい」と語った。
 戸松師は座談の終わりに登壇者の話に触れながら、「ありのままの自分を認めることが、〝お念佛からはじまる幸せ〟の一番大事なこと」と締めくくった。

フォーラムは、全国各地で計9回開催予定。詳細は開宗850年HPから。