国有化進む寺院から歴史的古文書 戦国大名の書状5点発見 島根・金皇寺
発見された「毛利輝元安堵状」。古文書には「輝元(花押)」の字
島根県大田市の金皇寺で、戦国大名・毛利氏などに関する古文書が発見され、地域の話題を集めている。
同寺は昨年に廃寺が決定し、境内や保有する山林を全国で初めて国有化する手続きを進めている。そのなか、同寺の記録や檀家への証文などの古文書約300点の確認調査を10月に同市と島根県の両教育委員会に依頼した。
結果、そのなかに戦国大名・毛利輝元が、祖父・元就の後継者であること示すために同寺末寺に出した「毛利輝元安堵状」や、銀山の支配が毛利氏から徳川幕府へ移った安土桃山末期、毛利氏の家臣が同寺から年貢を受け取ったことを示す「綿貫主税助年貢請取状」など、同寺と毛利氏、同氏が治めた石見銀山の関係を示す5点の古文書が確認された。
調査結果を受け同寺は市に古文書を寄贈。現在は石見銀山世界遺産センターが保管している。島根県教育委員会・伊藤大貴研究員は「戦国時代から江戸時代のものながら、比較的良好な状態で残されているうえ、同寺や毛利氏、石見銀山の関係を示す貴重な存在」とその価値を語る。
古文書は3月20日から4月11日まで、石見銀山世界遺産センターで展示される。問い合わせ=0854―89―0183。