浄土宗新聞

数々の震災を乗り越え 修復の山門 国登録有形文化財に登録数々の震災を乗り越え 修復の山門 福島・無能寺

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福島県桑折町の無能寺(佐藤伴美住職)山門が、3月6日、国の登録有形文化財に登録され、地域の話題を集めている。

山門と参道。城郭を思わせる雄大な造りで、参道の折れ曲がりには街道沿いから見えるように無能上人名号碑が所在する
山門と参道。城郭を思わせる雄大な造りで、参道の折れ曲がりには街道沿いから見えるように無能上人名号碑が所在する

福島県桑折町の無能寺(佐藤伴美住職)山門が、3月6日、国の登録有形文化財に登録され、地域の話題を集めている。
同寺は江戸時代中期の浄土宗捨世派の高僧・無能上人を開山とする寺院。同寺山門は、元治元年(1864)に建立され、薬医門形式、木造瓦葺切妻反り屋根、総欅造りで、板材には希少な玉杢目が用いられている。
山門は東日本大震災や、その後も続いた大きな地震で、傾斜や地盤沈下などの被害を受けたが、地域の貴重な建造物であることを知る檀信徒や地域住民の支援もあり、令和5年3月に修復が完了した。
今回、同門の構造や材質の希少さもさることながら、奥州街道に面し、桑折宿の歴史的な景観を形づくっている点も評価され、文化庁より国の登録有形文化財として、本年3月6日付けで登録がなされた。
佐藤住職は「修復にあたり、多くの方より篤い支援をいただきました。地域の歴史を語る存在である山門をしっかりと守り、後世に遺していきたい」と話す。