浄土宗新聞

先進技術で渋沢栄一ゆかりの地へ 宗門大学開発の自動運転バス提供 埼玉工業大学

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埼玉工業大学が開発した自動運転バス。全長9メートル58人乗り
埼玉工業大学が開発した自動運転バス。全長9メートル58人乗り

浄土宗宗門大学の埼玉工業大学(埼玉県深谷市・柗川聖業理事長=東京都智香寺住職)は、同大学が開発し、実証実験を進める自動運転バスを、深谷観光バス株式会社に提供し、地域の注目を集めている。
深谷市は、放送中のNHK大河ドラマ『青天を衝け』の主人公で、新一万円札の肖像画に決まった近代日本経済の父といわれる渋沢栄一の生誕地で、現在さまざまなPR活動が行なわれている。
そのなか、同市で路線バスを運行する同社は、渋沢栄一ゆかりの地をめぐる巡回バスを企画。同大学が、保有する自動運転バスの提供を、同社に呼びかけ、『渋沢栄一 論語の里 循環バス』として、4月から路線導入されることになった。
自動運転バスは、令和2年度埼玉県先端産業創造プロジェクトによって開発。AI技術を積極的に採用し、これまでの実証実験で得られた経験とノウハウが活かされ、一般公道を法定速度で走行し、システムによる自動運転とドライバーによる運転を即時に切り替えて、交通の状況に応じて安全に走行することができる。
同社代表取締役・高田勇三氏は、「渋沢栄一ゆかりの地を訪れることで、歴史を学ぶとともに、地元・埼玉工業大学が開発した先進技術を知る機会にもなれば」と話す。
バスを開発した同大学自動運転技術開発センターの渡部大志教授は「実証運行の機会をくださった関係者の方々の温かいご支援に心から感謝申し上げます。これを機に、免許返納後の移動手段を担えるような自動運転技術の開発を加速させたい」と語る。
自動運転バスは、来年1月10日まで運行予定。路線は渋沢栄一記念館、旧渋沢邸等を周回し、その中約8キロを自動運転で走行する。

自動運転中の運転席とドライバーの様子
自動運転中の運転席とドライバーの様子