浄土宗新聞

法然上人の父上をお迎えに 特別寺院 誕生寺の二十五菩薩練供養

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 法然上人生誕の地として知られる浄土宗特別寺院誕生寺(岡山県久米南町=漆間勇哲住職)が、4月19日、「法然上人御両親御追恩二十五菩薩天童迎接練供養会式大法要」を厳修した。
 練供養とは、人の臨終に当たり、阿弥陀仏やその脇侍(仏の左右に侍して人々の救済を手助けするもの)である観音・勢至菩薩をはじめとする二十五菩薩が、極楽浄土から迎えに来る様子を表す仏教儀式。極楽浄土と現世に見立てた二つのお堂の間を、菩薩の華やかな装束をまとった信者が往復し、仏が迎えに来る「来迎」と、極楽へと導く「引接」を表している。
 同寺の練供養は、室町時代から始まった法然上人のご両親を極楽浄土へお迎えする法要で、「日本三大練り供養」の一つとして知られ、岡山県の無形文化財にも指定されている。
 当日は行事の開始を告げる「開白法要」が行われ、北村隆彦師(兵庫県・法輪寺住職)による法話や日中法要が厳修され、檀信徒の先祖供養とともに各種祈願が捧げられた。さらには、僧侶と檀信徒が大きな輪を作って長さ約10㍍の大数珠を繰る「大念珠繰り」が行われた。併せて「双盤念仏」が奉納された。続いて、米村昭寛師(鳥取県・大善寺住職)を浄土門主御代理導師に「追恩大法要」が営まれた。法然上人のご両親への報恩の誠が捧げられ、その後、本行事の見どころとなる練供養が幕を開けた。菩薩に扮した25人の檀信徒や、華やかで可愛らしい装束を身に纏った「稚児」、僧侶が行列を成して本堂を出発。山門手前300㍍ほどに位置する六地蔵の祀られている娑婆堂を「現世」に見立てて練り歩いた。同寺では1年ごとに法然上人の父・漆間時国公と母・秦氏を交互に供養しており、今年は父・時国公の供養年に当たった。一行は、娑婆堂に安置された時国公の尊像を迎えると、同像とともに再び極楽浄土に見立てた阿弥陀堂へと歩みを進めた。
 父・時国公の臨終に際し、阿弥陀仏や諸菩薩が「来迎」し、極楽浄土へと「引接」する様子が練供養を通じて再現された。境内を埋め尽くした約600人の参拝者は、この地で大切に守り継がれてきた厳かな光景を前に、静かに手を合わせていた。
 漆間住職は「今年は5年ぶりに雨の心配なく晴れやかな空の下でお練りを執り行うことができ、参拝者も例年より多く、活気に満ちた一日となりました。来年も多くの方に足を運んでもらいたいです」と語った。