浄土宗新聞

チャレンジ精神旺盛な 創業百年の海苔製造販売会社 四国海苔(株)

投稿日時

愛媛県西条市・大念寺檀信徒

『味付のり』680円、『焼ばらのり』400円、『ばらのり』350円、『初摘み焼のり』400円、『味付のり石槌』650円などのほか、各種詰め合わせも多い。注文はネットでも可能
『味付のり』680円、『焼ばらのり』400円、『ばらのり』350円、『初摘み焼のり』400円、『味付のり石槌』650円などのほか、各種詰め合わせも多い。注文はネットでも可能

西日本最高峰で四国山地西部に位置する石鎚山(標高1982m)、その名峰を源流とする加茂川が、瀬戸内海燧灘へと注いでいる。河口付近は海の水と混じり合う汽水域で、ミネラルが豊富。その恵を受け、遠浅の沿岸と沖合で、山おろしの寒風吹きおろす寒さ厳しい季節から春にかけて、風味がよく栄養価の高い海苔が育まれる。
今回紹介する四国海苔㈱は、西条市の代表的な名産とされる海苔を専門に取り扱う老舗だ。創業は大正10年というから、今年でちょうど百周年。今は、初代烏谷徳一さんから数えて三代目の浩さん(64歳)が受け継いでいる。
創業当初は、海苔や車えびなど地元海産物の卸売業で、初代が、米屋だった父とは別の生き方がしたいと、独自に始めたのだとか。浩さんの父・計司さん(二代目)も、昭和35年から、海苔を仕入れて販売するだけでなく、自社での加工を開始。仕入れから、加工、販売まで、トータルで行う事業形態を確立した。それを受け継いだ浩さんも、「五感を働かせて良い海苔を仕入れ、手間を惜しまず加工する。小さい会社だからこそできる手作り感を大事にしたいのです」と、魂を吹き込んでいる。
自社製品は、極寒の時期に採れる黒海苔を加工した『味付のり』『焼ばらのり』『初摘み焼のり』などや、春先に採れる青海苔を加工した『青のり粉』など多数。特に摘みたての生海苔を原藻のまま乾燥させた『ばらのり』は、お吸い物やお茶漬けなどに一つまみ入れるだけで、磯の香りがパッと広がり実に爽やかである。また、青海苔の取扱高が生産量日本一の愛媛県内で、この会社のシェアが1位(2020年度は46%)というのも特筆すべきだろう。
そして、浩さんの跡を受け継ぐのが、四代目の勇佑さん(31歳)。元銀行マンというから、数字に裏打ちされた新たな経営理念による、さらなる発展が期待できそうだ。
(ライター:藤井勝彦)

店舗情報

社長の浩さんと、次代を担う四代目の勇佑さん

〒793-0027
愛媛県西条市朔日市428
TEL:0897-56-3313
HP:https://www.shikoku-nori.co.jp
■営業時間=8:30〜18:00
■定休日=日曜・祝日
■JR予讃線「伊予西条駅」から徒歩10分
■駐車場あり
※価格は税込