浄土宗新聞

日々のおつとめ―浄土宗日常勤行式 第4回 「四奉請・三奉請」

投稿日時

仏さまを迎える「四奉請・三奉請」

四奉請


奉請十方如来 入道場散華楽 (ほうぜいしほうじょらい じとうちょうさんからく)
奉請釈迦如来 入道場散華楽 (ほうぜいせきゃじょらい じとうちょうさんからく)
奉請弥陀如来 入道場散華楽 (ほうぜいびたじょらい じとうちょうさんからく)
奉請観音勢至 諸大菩薩入道場散華楽 (ほうぜいかんにんせいし しょたいほさじとうちょうさんからく)

三奉請


奉請弥陀世尊入道場 (ぶじょうみだせそんにゅうどうじょう)
奉請釈迦如来入道場 (ぶじょうしゃかにょらいにゅうどうじょう)
奉請十方如来入道場 (ぶじょうじっぽうにょらいにゅうどうじょう)

※「日常勤行式」には、四奉請を読む場合と、三奉請を読む場合があり、寺院や地域によって、内容・読み方が異なることもあります。


意訳
阿弥陀・釈迦・あらゆる世界の如来さま、観音・勢至、そして、もろもろの菩薩さま、どうぞこの道場にいらしてください。


【資料】毎日のおつとめ


香を焚いて身も心も清め、三宝へ帰依したところで、仏さまにいらしていただきます。
「四奉請」の偈文では、もろもろの如来(仏)、阿弥陀・釈迦の両如来、観音・勢至などもろもろの菩薩の順にお迎え(請い奉る=奉請)しています。

各偈文の最後にある「散華楽」とは、蓮華の花弁を模した散華をまき、お迎えする場所を清らかにするという意味があります。菩提寺での施餓鬼法要や十夜法要などの年中行事でも、法要の序盤に美しくまかれる光景を目にする機会も多いかと思います。ご家庭では難しい作法ですが、日頃から仏壇をきれいにしておくことや、真摯におつとめすることを心がけましょう。

【資料】念仏の功徳分け隔てなく 施餓鬼会

ところで、一般的に「道場」といえば、武芸などを学ぶ場所ですが、仏教でも修行の場や教えを学ぶ場所、寺院の本堂などを道場といいます。道を究めることに相違はありませんが仏教的には「仏道を修する場」ということになります。では、自宅で日常勤行を勤めた場合、それぞれの家庭が道場に成り得るのでしょうか。
法然上人は、「念仏の声するところみな私の遺跡(ゆいせき)せきである」とおっしゃっています。もちろんあなたのご自宅も仏道(勤行)を修める以上、立派な道場です。いえ、もっといえば、仏教は自己の苦悩を解決するためのものですから、三宝に帰依したあなたが生活している場、行くところもすべて「道場」であると心得ること、むしろそれが仏さまの教えといえるでしょう。
どうぞ一心におとなえしつつ仏・菩薩をお迎えください。

【関連リンク】
【動画】浄土宗 毎日のおつとめ 四奉請・三唱礼ver
【動画】浄土宗 毎日のおつとめ 三奉請・三身礼ver
毎日のおつとめ