浄土宗新聞

亡き人を偲び、次代への力に 三回忌追善・復興祈願法要 厳修 浄土宗石川教区

投稿日時
法要は厳かな雰囲気の中、執り行われた

6月21日、石川県金沢市の如来寺(吉田隆 一 住職)で浄土宗石川教区が、能登半島地震三回忌追善・復興祈願法要を厳修。能登半島出身者や県外在住者など、約40名が参列。犠牲者の冥福と被災地の再起を祈念した。

 令和6年1月1日、石川県能登地方を震源として発生した能登半島地震。同県志賀町および輪島市で最大震度7を観測し、輪島港で1・2㍍以上、能登町で4㍍を超える津波が押し寄せるなど、甚大な被害をもたらした。
 震災から2年、浄土宗石川教区(吉田隆一教区長)が吉田教区長を導師、被災寺院の住職らを式衆に三回忌追善・復興祈願法要を厳修した。開催時期については、冬期における積雪や交通網への影響を考慮。参列者の安全確保と、一人でも多くの被災者や檀信徒が足を運べるよう、この時期に執り行われた。
 吉田教区長は挨拶の中で、発災から間もない一周忌を断念せざるを得なかった心中を明かしつつ、「僧侶として何ができるか考えた時、祈ることこそが我々の役割だと確信した」と決意を述べた。続いて、吉水仙昭宗務役員が川中光敎宗務総長の挨拶を代読。震災およびその後の豪雨による犠牲者へ哀悼の意を表し、「復興への道のりは依然として険しいが、一日も早く心安らかな日々が訪れるよう、共に祈念したい」と語った。
 法要前には、東日本大震災の被災者である照德寺(宮城県仙台市)住職の中澤宏顕師が「再興へ心ひとつに~災害時寺院の重要性~」と題して講演。中澤師は、当時の写真を見せながら自身の体験を語り「『復興』ではなく、再び起き上がるという意味の『再興』を目指したい。必ずできると信じ、共に歩もう」と力強く激励した。
 法要の表白(法要の趣旨を述べる文)で、吉田教区長は災害関連死者を合わせた700名を超える犠牲者へ深い哀悼の意を捧げ、今なお困難に直面する被災地の復興と人々の暮らしの安穏を願った。また、法要では、復興祈願や世の中の平和、人々の安穏を願う「祝聖文」が唱えられ、堂内にお念仏の声が響き渡った。
 中澤師の講演や法要では、涙を流す人や手を合わせ阿弥陀さまを拝む人など、それぞれが亡き人を偲び、被災地の〝再興〟を心から願う姿が見られた。

被災時の写真パネルを掲げ、東日本大震災の惨状を話す中澤師