連載・特集一覧
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【お坊さんエッセイ】わたしという物語
地元の野菜や加工品が集まる販売所、いわゆる「産直」が好きです。家の近くはもちろん、遠出しても産直市場があると必ず寄ってお買い物をしてしまいます。その土地の旬の野菜や果物を見るだけでも楽しいですし、いろいろ買って家でどんなレシピで食べようかなと考えるのも大好きです。 私にとって産直のもうひとつの楽しみは、生産者のお名前と写真などが載ったポスターです。お名前や表 -
連載 仏教と動物 第15回 鴛鴦にまつわるお話
お釈迦さまの前世における物語『ジャータカ』をはじめ多くの仏教典籍(仏典)には、牛や象などの動物から、鳥や昆虫、さらには空想上のものまで、さまざまな生き物のエピソードが記されています。この連載では『仏教と動物』と題して仏教における動物観や動物に託された教えについて紹介いたします。第15回目は、仲睦まじいイメージの動物「鴛鴦」を取りあげます。 夫婦和合の象徴 鴛 -
心ゆくまで味わう 法然さまの『選択集』 第2回
浄土宗で〝第一の聖典〟と位置づけられる書物『選択本願念仏集』(『選択集』)。「極楽往生を遂げるためには、何より〝南無阿弥陀仏〟とお念仏をとなえること」とする浄土宗の教えを、宗祖法然上人(1133ー1212)が微に入り細に入り説き示された「念仏指南の書」ともいえるものです。大正大学教授・林田康順先生に解説していただきます。 第1章道綽禅師聖道浄土の二門を立てて -
日々のおつとめ―浄土宗日常勤行式 第16回 「送仏偈」
仏さまをお見送り「送仏偈」 請仏随縁還本国 (しょうぶつずいえんげんぽんごく)普散香華心送仏 (ふさんこうけしんそうぶつ)願仏慈心遙護念 (がんぶつじしんようごねん)同生相勧尽須来 (どうしょうそうかんじんしゅらい)十念 意訳ご縁に随ってお浄土にお帰りください。香を薫じ、花を散らして、心からお送りいたします。願わくは、すでにお浄土にお生まれになった諸先達とも -
【浄土宗の読む法話】八十八回の手間
「米は八十八回手間がかかるから米って書くんだよ。」そんな忘れてしまったような言葉が自分から出てくるとは思いもよらなかった。 八年ほど前、寺に田が戻ったのがきっかけとなり米作りをはじめる事となった。田んぼで米を作ったことなどまるでなく、何とかせねばということで素人の怖さ、「無農薬」しかも「手植え・手刈り・はさ掛け」と昔ながらの方法で黒米を作ると言う大それた事と -
【こころのケア】Webカウンセリング 3
コロナ禍でのこころのケアをめぐる「新しい生活様式」 Q:嫁いだ娘を頼る母親をどうしたら良いか 母は、私の家から電車で1時間弱の所に父と弟夫婦と二世帯住宅で暮らしています。嫁いだ長女の私は年に数回程度、両親や弟、義妹を訪ねていました。ところが高齢の母がコロナ禍による政府の緊急事態宣言以降、ほぼ1日置きに私の携帯に電話をかけて、不安を何度も繰り返し訴えてくるよう