連載・特集一覧
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【浄土宗の読む法話】きっと護っていてくれる
立春とは名ばかりの寒さですが、寒風の中梅の蕾は次々と華麗に開いて、わたし達の心を温めてくれています。大自然の営みを感じます。 一昨年12月に故人となられたSさん、昭和49年にご主人を41歳の若さで亡くされ、女手1つで娘さん1人を育てられました。お寺の行事にもその地区の当番に当たられた時には快くお引き受け下され、お勝手の手伝いなどご奉仕して貰いました。持ち前の -
連載 仏教と動物 第16回 蟹にまつわるお話
お釈迦さまの前世における物語『ジャータカ』をはじめ多くの仏教典籍(仏典)には、牛や象などの動物から、鳥や昆虫、さらには空想上のものまで、さまざまな生き物のエピソードが記されています。この連載では『仏教と動物』と題して仏教における動物観や動物に託された教えについて紹介いたします。第16回目は、縁起の良いとされる動物「蟹」を取りあげます。 信仰と結びついた動物 -
心ゆくまで味わう 法然さまの『選択集』 第4回
浄土宗で〝第一の聖典〟と位置づけられる書物『選択本願念仏集』(『選択集』)。「極楽往生を遂げるためには、何より〝南無阿弥陀仏〟とお念仏をとなえること」とする浄土宗の教えを、宗祖法然上人(1133ー1212)が微に入り細に入り説き示された「念仏指南の書」ともいえるものです。大正大学教授・林田康順先生に解説していただきます。 第1章道綽禅師聖道浄土の二門を立てて -
【浄土宗の読む法話】「仏の大慈悲に照らされて」
新聞の投書欄に「胎児に座席を譲った男の子」という一文が掲載されていました。 満員電車に妊婦さんが乗って来られて、おばあさんと並んで座っていた五歳ぐらいの男の子が突然妊婦さんに駆け寄り、「座りや」と席を譲ろうとしたのです。妊婦さんは「おばちゃんは大丈夫、ぼく座っとき」と応じました。すると男の子は、「おばちゃんが座るのと違う、お腹の赤ちゃんが座るんや」。これを聞 -
【お坊さんエッセイ】雪の色を奪いて咲ける 梅の花 今盛りなり 見む人もがも
雪の色を奪いて咲ける 梅の花 今盛りなり 見む人もがも(雪の白さを奪って咲いている梅の花は今が盛りだ。見てくれる人がいるといいな。) 雪が降り積もるなか、白い梅の花が、雪のすべての色を「奪い取って咲いている」という表現には、いのちが爆ぜるような力強さを感じます。 この歌は大伴旅人という奈良時代の歌人が詠んだもので、7世紀から8世紀にかけて編纂された日本最古の -
【浄土宗の読む法話】阿弥陀仏との出会いは有り難し
「 足元は 轍に頼る 雪の道 」 寒さ厳しくなりました。雪が降り積もると移動に難儀致します。しかし、人が頻繁に歩くところは降り積もる雪を足で溶かして轍になります。沢山の歩く人あればこそ。そして、朝早くに雪を除けて歩く道を作って下さった方のお陰です。思えば私たちの当たり前に歩む道も、沢山の人との繋がりと人知れずご苦労して下さった方のお陰なのかも知れません。 少